【続:テレビについて】
神奈川新聞2014年3月3日 朝刊掲載
(2014.0303 掲載)
前回のコラムの中で、「テレビ時間をコントロールするように」と提言した。読者から、「ウチの娘は3歳ですが、すでにリモコンも自由自在に使っているので、どうしたらよいか」という相談があった。
テレビなどの視聴時間と学力との関係の調査した文科省の報告がある。左の表はその一部。結論は「親がコントロールすべき」
この子の場合、すでに道具を使いこなす知恵が備わっている。すこぶる順調だ。では、どうやってステップアップするのか。オススメは、新聞などのテレビ番組表の活用だ。一週間分あるものがよい。やることは、見たい番組を選び、色をつけるだけ。もう少し成長したら「見たい」優先順位を①②③などでマークするのも良い。字は読めなくても、縦の時間軸と横のテレビ局の関係は、徐々に学ぶことができる。パパとママの好きな番組も一緒に色分けする作業をすると親子で共有化ができる。「一週間で5つだけね」「毎日見るのはこの番組」との共通ルールが出来上がる。
習慣づけるためには親の我慢も必要だ。どうしても見たければ録画機能を使うことだ。テレビとの付き合い方は、家(か)庭(てい)教(きょう)育(いく)力(りょく)の試金石だ。
さて、女の子と男の子では、テレビ番組の好みが違う。たとえば、女の子の例として、3歳ぐらいまでは「アンパンマン」3歳から小学1年生ぐらいまで「プリキュア」小学2年生頃から「アイカツ」と、成長と共に興味が変遷(へんせん)していく。これは、日曜日のテレ朝の朝の番組だ。NHK派は「おかあさんといっしょ」から始まるようだ。子ども番組は、親からの支持は不可欠。よって、挿入歌やストーリー性など品質が割と高い。
勿論、方針として「テレビはNO!」と徹底して管理できる家庭は、それはそれで素晴らしい。ただ、多くの家庭では、テレビは娯楽の中心的存在。ならば、ルールを決めた上で、受け入れればいい。多くの男の子は、全国津々浦々、戦隊モノが好きだ。でも心配は要らない。成長と共に、次々に卒業をしていく。興味が変わる。テレビの悪影響を心配する方もいるが、神経質にならないことだ。
表を見ると、視聴時間60分以内の生徒が成績がよい。意外だが、全く見ない生徒の成績が良くない。要はテレビを活用し、上手に付き合うことだ。注意点は、ダラダラとテレビを見る習慣をつけてしまうこと。長時間視聴が良くないことは調査報告を見るまでもない。