神奈川新聞 2023年2月5日 朝刊掲載
理英会 入試対策室 室長 久野康晴
【紙面本文】
小学校受験らしい入試項目は?
子どもらしさを見る個別形式の考査
今回は2022年秋の小学校入試の中から、小学校受験らしい入試項目を取り上げて解説します。
今日紹介するのは「個別形式の考査」です。先生1名に対し、子どもを1~3人程度ずつ見る形式のため、大人数の課題では数値に表れにくい子どもの能力や子どもらしさをじっくり見ることが可能です。
個別形式の考査を行ったことのある私立小学校を紹介します。
精華小学校、聖ヨゼフ学園小学校、桐蔭学園小学校 など
東京都
学習院初等科、暁星小学校、白百合学園小学校、聖心女子学院初等科、成城学園初等学校、玉川学園小学部、田園調布雙葉小学校、東京女学館小学校、立教小学校、早稲田実業学校初等部 など
個別形式の考査は、学校側の「点数では表現できない子どもの力を見たい」という考えがよく表れた入試です。ただ、実施したくても、受験者が多い学校などでは個々に対応するとなると難しいこともあり、実施を見合わせる学校もあるのが実情です。
次に今年度を含め、これまでの個別形式の考査の出題内容の一部をご紹介します。
・絵カードを見て先生の質問に答える
・複数の絵カードを並べ、お話を作る
・パターンブロックで見本通りの形を作る
・見本通りにひもを通す、ひもを結ぶ
・箸を使って豆を運ぶ
・道具箱の片づけ
・スモックやエプロンの着脱
・先生の指示通りの行動をする など
それぞれ、子どもたちの「頑張れる力」があるかどうかを見ています。
具体的には、先生のことばを理解して指示通り行動できるか、自分の意見をしっかりと伝えられるか などの力ですが、これらは小学校入学後の生活に直結する大切な要素です。
授業をしっかり受けられるかどうか、自分のことは自分ででき、集団生活が円滑に送れるかどうかが見られているのです。