神奈川新聞 2023年4月2日 朝刊掲載
理英会 入試対策室 室長 久野康晴
【紙面本文】
小学校受験、なぜ非認知能力重視?
主体性、対話力、やり遂げる力を見る
近年、非認知能力ということばが注目されるようになりました。
非認知能力とは、積極性やコミュニケーション力などの点数で数値できない能力のことです。非認知能力は色々なことばで表現されています。
非認知能力の例
主体性、対応力、想像力、心の強さ、自己肯定感、行動力、やりきる力、協働力、共感力、コミュニケーション力 など
ことば自体が知られるようになったのは最近かもしれませんが、非認知能力そのものは昔からあったはずです。
インターネットの普及やAIの発展の可能性など、世の中が変わっていく中で、暗記型の知識ではなく、主体性、対話力を持って物事をやり遂げる力が重要視されるようになっています。
そのため、非認知能力がより注目されるようになりました。
これからの時代、もしかすると、人の仕事が、どんどんAIにとって代わられるかもしれません。
これまでも、これからも、ペーパーでいい点数をとるための学力だけでは世の中で通用しません。
個人の土台となる総合的な人間力である非認知能力を高めることが大切です。
これからは、総合的な人間力を土台として、何かに秀でた人が求められていくのではないでしょうか。
幼児期のさまざまな体験は、人格形成の基礎になります。
小学校入試は、決して机上の学習中心のものではありません。
そのことは、小学校入試の考査内容に表れています。
小学校受験らしい入試項目である「行動観察」では、集団での遊びやゲームを通じて友達との関わりを見ています。
また、個別形式の考査では先生のことばを理解して指示通り行動できるか、自分の意見をしっかりと伝えられるかなどの力が見られています。
豊かな幼児期の体験を通じ、体験に基づく知識、ことば、行動をぜひ育んでください。数値化できる点数だけを重視するのではない、子ども自身の力を育んでいきましょう。