神奈川新聞 連載コラム

118回 ザ・チャレンジ!(小学校受験編)生活習慣を見る出題への対処法は?

  • 2024.6.26

神奈川新聞 2024年6月24日 朝刊掲載
理英会 入試対策室 室長 久野康晴

【紙面本文】

生活習慣を見る出題への対処法は?
自立を育む関わり方が大切!

2023年の小学校入試から個人の自立を見る課題の解説です。箸を用いた小豆運び、ビーズ運び、ブロック運び、ビーズひも通し、風呂敷つつみなど、手先を上手に使う「巧緻性」などと表現される出題ではなく、生活習慣と言える出題をピックアップしてみましょう。

学習院初等科 、道具箱の片付け、スモッグへの着替え。
暁星小学校(2次) 、個別でコップの水を半分に分ける。
晃華学園小学校、配膳(茶碗、汁椀、コップ、箸、箸置き、皿)、給食着(ボタン3つ)をハンガーから取り、着る、脱ぐ、スモッグ、バンダナをたたみ、かごに入れる。
白百合学園小学校 、雑巾しぼり、拭く、袋に入れてしばる。
成城学園初等学校 、おしぼりタオルをきれいに干す。
田園調布雙葉小学校 洋服ハンガーかけ。
明星小学校 、道具箱の片付け(絵本2冊、コピー用紙2枚)
早稲田実業学校初等部 、半袖ポロシャツを着る、長袖ポロシャツを着る。

小学校生活では、自分のことは自分でやる、自分で出来ることが求められます。
生活習慣を見る課題では、家庭で子どもに自立を促すような教育がなされてきたか、普段の家庭の様子が垣間見られます。小学校受験に限ったことではないですが、大人の関わり方が子どもの自立を育むものか、妨げていないかの視点を持つことが大切です。
今現在ある仕事が、AIなどに取って代わられるかもしれないこれからの時代、テストに出る問題の解き方や知識を覚えてきただけの子どもでは、おそらく対応は難しいでしょう。
どう変わっていくか分からない時代だからこそ「精神面が強い子ども」「ちょっとやそっとのことでは折れない強い心を持っている子ども」に育って欲しいです。
自分の力で臨機応変に問題に対応し、解決していく子どもを育てていきたいです。

※考査の内容は理英会の出口調査にもとづいています。
実際には若干の相違がある場合がございますこと、ご了承ください。