神奈川新聞 連載コラム

122回 ザ・チャレンジ!(小学校受験編)家事に関する出題どう対応?

  • 2025.1.17

神奈川新聞 2025年1月13日 朝刊掲載
理英会 入試対策室

【紙面本文】

家事に関する出題どう対応?
日常的なお手伝いで自立促す教育を

小学校受験は、親子が一緒になって取り組む二人三脚の挑戦といえます。試験では勉強の成果が求められるだけでなく、家庭での日常的な経験や教育方針が問われる場面も多く見られます。その一例として、お子さんが日常的にお手伝いをしているかどうかが試験に影響するケースがあります。

例えば、近年では「ちりとり」について説明を求められる問題が出題されました。家事のお手伝いを日常的にしていないお子さんは、こうした道具に対する理解が浅い場合があり、解答が難しくなることがあります。

また「話の記憶」と呼ばれる出題形式があります。一定の分量の文章が読み上げられ、その内容を記憶したうえで質問に答えるものです。例えば「今の話に出てきた男の子は全部で何人いましたか」といった質問がされます。

この形式でも料理の手順に関する話が出題されたことがあります。具体的には話の中で登場する食材や手順から作っていた料理が何であるかを推測する問題です。答えがコロッケなのかメンチカツなのかを判断する必要がありました。日ごろ台所でお手伝いをしているお子さんにとっては馴染みのある内容でも、全く台所に立ったことがない場合には難問となります。

さらに「お茶わん、おわん、魚、箸をトレイの上にどうやって並べますか」といった配膳に関する出題もされています。

このような問題を通じて、家庭で自立を促す教育がされているか、普段の家庭の様子が試されます。こうした出題は、単に知識を問うものではなく、日常生活における家庭教育の成果を見られるものです。保護者としては、子どもへの接し方が自立を育むものであるかを意識することが大切です。子どもに過剰なプレッシャーをかけるのではなく、家族全員で楽しく充実した時間を共有する中で自然と自立を促していくことが重要です。

小学校受験は、親子の絆を深めながら成長を促す絶好の機会でもあります。家庭での経験を大切にしながら、日々の生活の中で好奇心や自主性を育てていきましょう。