神奈川新聞 2022年9月5日 朝刊掲載
理英会 入試対策室 室長 久野康晴
【紙面本文】
小学校入試の話づくりや面接とは?
友だちや先生に自分の考えを伝えられるか
小学校入試では「子どもが小学校で集団生活を送れるか」という観点で選考が行われます。
そのための課題の一つとして、お友だちや先生に自分の考えを伝えられるかを見るものがさまざまな形で出題されます。
出題例を2021年実施の小学校入試からご紹介しましょう。
慶應義塾横浜初等部では例年さまざまなテーマで絵を描き、その絵についてお話を聞かれます。
具体的には「無人島でやってみたいこと」「家で一番好きな食事をしているところ」「プレゼントを友だちと交換するところ」といった出題です。
自分が描いた絵について、様子を表すことばや気持ちを表すことばを使いながら、いきいきとした表情でお話ができるといいですね。
精華小学校では継続してお話づくりが出題されています。絵=写真=を見ながら質問されます。
「ブランコが壊れてしまいました。くまくんはどんな気持ちでしたか?」のように心情を答える問題もよく出ます。
青山学院横浜英和小学校や関東学院小学校ではフリートークに近い面接が実施されました。
面接では型にはまった質問ではなく、1つの質問から関連して複数質問されることが普通です。
こうした場での表現力を短期間で身につけることはとても難しいです。
表現力は日常生活での会話による、ことばの体験の積み重ねや絵本の読み聞かせなど、擬似体験や擬似感情の積み重ねによって身につくものです。
さまざまな人と接することも大切です。
こうした積み重ねによって、相手の話を理解する力や相手の気持ちを感じる力が養われていきます。
また、子どもの自由な発想に大人の常識を押しつけてしまうと、子どもは口をつぐんでしまいます。大人がしっかりと話を聞いてあげることで、子どもは、いろいろなことを自由に話せるようになります。
子どもとたくさん会話をして、その中で稚拙なことばや間違った言い方を教えてあげればいいのです。
※考査の内容は理英会の出口調査にもとづいております。
実際には若干の相違がある場合がございますこと、ご了承ください。