神奈川新聞 連載コラム

108回 ザ・チャレンジ!(小学校受験編)小学校受験で一番大事なことは?

  • 2023.6.14

神奈川新聞 2023年6月11日 朝刊掲載
理英会 入試対策室

【紙面本文】

小学校受験で一番大事なことは?
褒めて自信をつけること

慶應義塾横浜初等部は例年志願者が定員の10倍以上になる人気の小学校です。
同校に合格した在校生の保護者に小学校受験を振り返ってもらいました。

〈6月のこの時期、気を付けたいことは?〉
願書の下準備です。受験が迫ってくると忙しく、提出期限の1週間前にやっと仕上がった学校もありました。
できれば、5月6月の学校訪問直後に、その時の考えや気持ちを下書きしておくと、とても良かったと思っています。

〈子どもの成長をどこで感じましたか?〉
娘は、もともと前向きな気持ちを持っている子で褒められるのが大好きです。
そのためどんどん褒めて本人の自信につなげていきました。
特に年長の夏期講習の時期、「変わったな」と感じました。それまでは先生の話をよく聞けないことが多かったのですが、周りの子たちが褒められているのを見て、自分も褒められたいという気持ちが娘の中に強く芽生えた瞬間がありました。
立ったまま先生の話を聞いているとき、今までならフラフラしたり、机に手をついたり、じっとしていられなかったのですが、そのときは全く動かず10分くらい話を聞けたのです。
私も驚きましたが、先生も気づいて褒めてくださり、娘はそれが本当に嬉しかったみたいです。
今でもその日の日付を覚えているくらいです。
「褒められたあの時と同じくらい頑張る」と自分の中で決め、最後まで受験を頑張れました。

〈受験でどんなことが得られましたか?〉
娘にとっては幼少期に様々な勉強や経験をして、人生の中での人としての土台を作ることができたと思います。
今、振り返って一番思うのは「子どもに怒るのはやめよう」と気づいたことです。
褒めれば褒めるだけ、その子の自信につながるけれど、怒ると良いことは一つもありません。
子どもが自信を失くすだけでなく、その子らしさも失わせてしまいます。
小さな子どもが自分一人で考え、行動して解答するというのは、自信がないとなかなかできません。
娘が合格できたのも自信をつけ、娘らしさを表現できたからだと思います。