神奈川新聞 連載コラム

117回 ザ・チャレンジ!(小学校受験編)小学校入試でなぜ「自由遊び」?

  • 2024.5.10

神奈川新聞 2024年5月6日 朝刊掲載
理英会 入試対策室 室長 久野康晴

【紙面本文】

小学校入試でなぜ「自由遊び」?
ありのままの子どもの様子を確認できるから

2023年の小学校入試の出題から自由遊びについて解説します。
自由遊びは多くの学校で取り入れられている課題で、ありのままの子どもたちを知るのに適しています。
時間が長くなればなるほど、いつもの子どもの姿を見ることができるからです。
課題が設定されているような行動観察テストは、過去の出題例に従って、子どもたちが事前に幼児教室で練習をして来ます。よくある紙コップ積みやボール運びなどは幼児教室の授業で必ず扱われていますし、他の子どもへの声のかけ方なども指導されているのが普通です。
自由遊びも幼児教室では指導されていますが、課題が決まっているテストより、自由遊びのほうが素の子どもを見ることができるでしょう。

自由遊びが実施された学校

・サレジアン目黒星美小学校
・品川翔英小学校
・聖徳学園小学校
・湘南学園小学校
・昭和女子大学附属昭和小学校
・成城学園初等学校
・捜真小学校
・日本女子大学附属豊明小学校
・日本大学藤沢小学校
・玉川学園小学部
・桐蔭学園小学校
・森村学園初等部
・横浜雙葉小学校 など

小学校入試は、まだ、字が読めない、書けない、計算ができない幼児を対象に行われます。
その点、小学校入学前にペーパー重視で学力を見るよりも、行動観察を重視し、学校での集団生活ができるかを見るほうが適切だと思います。
例えば、桐蔭学園小学校では総合観察テスト(児童面接、自由遊び、一斉活動を含む)と知能テスト(言語・思考等をはかるペーパーテスト)が行われますが、説明会などでは総合観察テストを重視する方針が話されています。

※考査の内容は理英会の出口調査にもとづいています。
実際には若干の相違がある場合がございますこと、ご了承ください。