神奈川新聞 連載コラム

123回 ザ・チャレンジ!(小学校受験編)「話の記憶」の設問問われているのは?

  • 2025.2.26

神奈川新聞 2025年2月24日 朝刊掲載
理英会 入試対策室 室長 久野康晴

【紙面本文】

「話の記憶」の設問問われているのは?
話を的確に聞き内容を理解する力

2024年秋実施の小学校受験に出題された特徴的な問題をご紹介します。今回は桐蔭学園小学校(男子)です。
(問題)※画像
① クローバーの部屋の問題です。
女の子が電車に乗ろうと駅にやってきました。改札に駅員さんがいたのであいさつをしました。ホームにはたくさん人がいてとても混んでいました。電車に乗ると女の子は空いている座席に座りました。
お話に合う絵すべてに〇をつけましょう。
② スペードの部屋の問題です。
もうすぐ歌の発表会です。動物たちは練習をたくさんしました。クマは早く歌いたいと思いました。リスは上手に歌えるかドキドキしています。ウサギはお母さんを探してきょろきょろしています。
お話に合う動物たちの顔の部屋に〇をつけましょう。
③ ハートの部屋の問題です。
森の幼稚園で動物たちが仲良く遊んでいます。リスとウサギが一緒に遊んでいました。クマは一緒に遊びたかったのですが、なかなか仲間に入れません。するとクマに気がついたリスとウサギが声をかけてくれて一緒に仲良く遊びました。
お話に合うクマの顔に〇をつけましょう。
(ポイント)
多くの小学校で出題される、話の記憶の問題です。桐蔭学園小学校の文章の長さは、他の学校に比べて、かなり短いです。他の学校では1000文字前後の文章が読まれるところもあります。求められているのは「記憶力」ではなく、「話を的確に聞く力」だと感じます。学校生活では、先生が長い話を一方的にするより、子どもたちと短めの双方向のやりとりがされる場面が圧倒的に多いのではないでしょうか。そういうときに必要な、話を的確に聞いて内容を理解する力を問われています。学校生活を見据えて、幼児に適切な出題方法だと思います。
※考査の内容は理英会の出口調査にもとづいています。実際には若干の相違がある場合がございますこと、ご了承ください。