聖ヨゼフ学園小学校 校長 荒屋勝寿氏
神奈川新聞2019年3月5日掲載
国際バカロレアとは、国際的視野を持った学習者を育てる世界標準の教育プログラムだ。
国際バカロレア機構から認定を受けた高校では課程修了後の試験に受かれば世界共通の大学入学資格が得られ、オックスフォード大学など国内外の大学に進学の道が開かれる。
2018年1月に聖ヨゼフ学園小学校(横浜市鶴見区)が国際バカロレアPYP校として認定された。
PYPとはプライマリー・イヤーズ・プログラムという初等教育課程のこと。
初等教育課程での認定はこれまでインターナショナルスクール以外には例がなく、学習指導要領に則した小学校が認定を受けた希少な事例として注目が集まっている。
今回、聖ヨゼフ小学校・荒屋勝寿校長に話を聞いた。
■国際バカロレア導入の背景は?
建学の理念が具現化できるプログラムだったからです。
「世の中の問題を他人事にしない」「平和と幸福を創り出す人を育てる」という教育方針と国際バカロレアの使命が合致したのです。
「生き抜く力を育てることが初等教育の使命である」という考えのもと、教員たちは根気強く導入に取り組みました。
その結果が今回の認定につながりました。認定は教育内容が世界標準として認められた証だと受けとめ、身が引きしまります。
■国際バカロレアの初等教育とは?
「探究型概念学習」が特長です。算数・国語・理科・社会などの科目は「探究」という授業で行います。
教科の枠にとらわれず、子どもたちが主体的にテーマ探究を行う「教科融合型」の授業です。
■「探究」の授業のねらいは?
先の見えない時代に自分自身で未来を切り拓く力を付けることです。
そのために考える力を付けることを重視して課題に取り組みます。
調べ学習、グループディスカッション、データの分析、解釈をプレゼンすることなどで授業は構成されています。
このような授業を通して子どもたちが身に付けた力は10年、50年先も通用する「生涯に渡り学び続ける力」になると考えます。