神奈川新聞 2022年7月18日 朝刊掲載
理英会 入試対策室 室長 久野康晴
【紙面本文】
小学校入試特有の行動観察とは?
集団での自己表現力や協調性をみる
小学校入試では「子どもが小学校で集団生活を送れるか」という観点で選考が行われます。
「どんな子どもに入学してほしいですか?」という問いかけに対し、多くの先生から「人の話を聞ける子」という答えが返ってきます。
また「友だちに自分の考えを伝えられるか」「協調性があるか」なども大切な観点です。
こうした小学校の集団生活における協調性を見るのが「行動観察」と呼ばれる小学校入試特有の出題です。
2021年実施の小学校入試からそんな行動観察の出題例をご紹介します。
湘南学園小学校では「輪つなぎ」の出題がありました。
2チームに分かれて、紙で輪を作り、長くつなげたチームの勝ち。
ルールは同じ色紙がとなり合ってはいけないこと。
チームのお友だちと仲良く声をかけ合いながら行えるかが重要です。
桐蔭学園小学校では集団での「自由制作」が出題されました。
グループで相談して遊び道具を作りましょうという課題でした。
関東学院小学校でも「おもしろい宇宙人をつくろう」というテーマで、チームで工作をして発表する出題がありました。
森村学園初等部(男子)では「劇を発表する」という出題がありました。
みんなで相談して「ももたろう」と「三匹のこぶた」の絵本のどちらかを選びます。
その絵本のどこがよいのかを話し合って本を決めました。
その後、役決めをしてお芝居の練習をおこない、最後にチームごとの発表の時間がありました。
このように、小学校入試では単純な知識を問うものだけでなく、自己表現力や協調性など、ペーパー入試では測りきれないものも重要なのです。
※考査の内容は理英会の出口調査にもとづいております。
実際には若干の相違がある場合がございますこと、ご了承ください。