第六章 保育・幼児教育の考察②③
第二項 五領域 編
3【五領域―環境】(2014.01.06 掲載)
今回は【環境】。この領域は、身の回りのヒト・モノ・コトに興味・関心が持つこと。その発展系として好奇心・探求心を養う、に集約される。
人間は、五感(聴覚・視覚・触覚・嗅覚・味覚)を通じて、ヒトやモノを認識していく。よって、幼稚園や保育園で様々な経験・体験を園児たちにさせようとカリキュラムや行事を組み立てる。日本教育の基盤づくりだ。ただ、中には稚拙な行事運営の連続でスタッフが疲れきっている園も見かける。幼児にとって、最も身近な人的環境は、先生。指導者の情緒安定や溌剌とした元気な姿、知性あふれる立ち居振る舞いが、幼児たちの豊かな感性を培っていると考えれば、“幼稚園教諭・保育士の環境”は、経営者も自治体も考えるべきだろう。
さて、【環境】領域でのポイントである興味・関心は、好き、楽しい、面白い、という感覚と結合する。とりわけ、「好き」という感情を大事にしたい。
とかく教育熱心な親は、“好き嫌いなく”を強要する傾向がある。人間は基本的に「快の原則」に従って行動する。行動はエネルギーを生む。そのエネルギーは新たな行動力の源となる。
では、どのように考えるのか。大きく2つ。
第1に、父親・母親が好きなフィールドに子を“参加させる”を中心に考える。親が夢中になるコト・モノが、その子にとって最良の題材になる可能性は高い。留意点は3つ。①遊び感覚②子の年齢に合わせる③「みんなで遊べる」モノ・コト・時間を与える。
第2に、アナログ遊びを家族で。カルタ、花札などのカード遊びは、二人でもできる。パパがトランプをサッサッと切るだけで、子供の目が輝く。ルールは簡単な「カードめくり」「神経衰弱」「うすのろ」「ばばぬき」数種類のバリエーションがあるだけで楽しめる。双六などのボードゲーム、将棋、囲碁、オセロなど、最近は、幼児用に工夫されたものも豊富だ。サイコロを2つ転がせて遊べば足し算はすぐに覚える。楽しいから覚える。勝ちたいから学習する。プリントで学ぶより、数倍有効だ。3つ使えばチンチロリンもできる(笑)遊びが好奇心を芽生えさせる。
明日は七草粥。若いパパママはあまり食さないようだ。「せり、なずな、ごぎょう、・・・・」と何度も唱えながら日本の食文化に触れさせよう。正月で疲れた胃袋を休ませて、今年も笑顔で健康的な子育てを!
五領域の中の「環境」領域
狙い(発達を捉える視点) | |
環境 | 身近な環境に親しみ、自然とふれあう中でさまざまな事象に興味や関心を持つ |
身近な環境に自分からかかわり、発見を楽しんだり、考えたりし、それを生活に取り入れようとする | |
身近な事物・事象を見たり、考えたり、扱ったりする中で、物の性質や数量、文字などに対する感覚を豊かにする |
※幼稚園幼児指導要録と保育所児童保育要録の狙いは同じ
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