第六章 保育・幼児教育の考察②③
第二項 五領域 編
5【五領域―表現】(未掲載)
表にあるように、幼稚園指導要領(保育所要録)のねらいは随分難しい語句が並ぶ。
5領域(健康、人間関係環境、言語、表現)の中で、「表現」が一番観念的・抽象的なニオイがする。かつ、内容は、身振り、言語、音楽、絵画など多岐にわたる。ここでは、「表現」を「伝える力」と「楽しめる力」という視点に置き換えて考えたい。
先ずは「伝える力」のチェックポイントを4点
① 人の目を見て話せるかどうか
―会話はキャッチボール。相手が理解しているかどうか、どんな気持ちで聞いているのか、など意識して話さなければ独りよがりになる。我が子の視線を少し意識してみよう。何事も自信のない子は、伏し目がちになる。が、慌てず、じっくり育てよう。親としては聞く側に回ろう。
② 単語だけの会話が多くないか
―誰が○○した、というように主語―述語を少し意識させる。接続後(だから、しかも、それで、など)をオーバーに使ってみる。会話も弾んでくる。
③ 見たいテレビ番組や食べたい物などを自分で言えるかどうか
―物事の優先順位を自分自身で決められるようにする。会話だけでなく行動にもメリハリがつく。
④ 一日の出来事を3つ言えるかどうか
―自分の感情(喜怒哀楽辛かった、感動した)を振り返り、確認する。事実と感情を分けて表現することで、伝える力が育くまれる。
次に、「楽しめる力」
AKB48の“恋するフォーチュンクッキー”の歌詞の中に
「♪ツキを呼ぶには笑顔を見せること♪」の一節がある。言葉以外の表情、姿勢、しぐさ、といった要素が将来とても重要になる。ムリなく、自然に身につく幼児期での親の責務は大きい。とりわけ笑顔は、ツキも呼ぶが、周りを癒す太陽の役割を果たす。
さて、「楽しめる力」は、「できる」に集約される。
歌が歌える、楽器が弾ける、絵がかける、折り紙ができる、コマを回すことができる、プラモデルを作ることができる、将棋ができる、サッカーができる、スケートができる、一輪車に乗ることができる、・・・
わが子の「できる」を記録するだけでも親の意識が変わる。
五領域の中の「表現」領域
狙い(発達を捉える視点) | |
表現 | いろいろなものの美しさなどに対する豊かな感性をもつ |
感じたことや考えたことを自分なりに表現して楽しむ | |
生活の中でイメージを豊かにし、様々な表現を楽しむ |
※幼稚園幼児指導要録と保育所児童保育要録の狙いは同じ
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