理究の哲学(エンジン)

第七章 仕事ノ学

第九項 ビジネスチャンスは無限

― ビジネスチャンスは、6つの“ふ” ―

①不満 ②不足 ③不便 ④不利 ⑤不快 ⑥不安・・・・の“不”の解消だと、多くのビジネス書には書いてあります。
「なるほど、だからビジネスは無限なんだな」
「世の中を見ろ、情報収集せよ、とは“不”を感じる行動をせよ、なんだな」
「だから、やり方次第なんだな」
「そうか、頭が柔らかいことが大事なんだ」
「お客様に耳を傾けろ、とはその“不”に気づけということなのか」

“不”は時代とともに変化します。当然ながら地域によっても異なるでしょう。
たとえば、東京では、1968年の都立高校の学区制導入がきっかけで、私立中学受験が市民権を得て、台頭しました。「行きたい高校を受験できない」という“不満”や、教育行政に対する“不信”は増幅しました。
教育熱心層、富裕層が難関私立中高校に流入。あっという間に、毎年200名の東大合格者を輩出していた都立日比谷高校も崩壊していきました。
公立高校に対する“不安”や入試選抜に対する“不満”が、中高一貫私立ブームを作っていきました。公立高校では、大学受験に“不利”。データがそれを裏付けしていきました。中高一貫のカリキュラムの優位性が、大学受験を有利にさせている、あるいは、大学実績のある学校は、受験体制の風土があり生徒たちモチベーションをつくりやすいなど証明されてきました。
しかし、私立では費用がかかり、だれでもその費用を負担できるものではありません。「教育の不平等」が問題になりました。公教育を担ってきた文部科学省は、世論に煽られる形で、私立が培ってきた中高一貫制度の導入を解禁しました。
2000年以降に公立中高一貫の学校が出現してきました。今や全国にその動きが見られます。ただし、首都圏での倍率は半端ではなく、高嶺の花です。
小学校受験や中学受験がない地域では、この“不”は、話題にならず、顕在化しません。つまり、多くの人には見えなく、だから、感じないのです。
しかしながら、先ほどの情報をキャッチすれば、子を持つ親は考えるでしょう。そして何らかの行動をするだろうことは予測がつきます。

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