第一章 幸福ノ学
第七項 「幸せ」・・・の秘密
― 人間は感情の動物 ―
多くの人が経験しているように、”人を愛すること”が突然やってきます。
そして意表をついた、予想だにしない別れが訪れます。
ギルバート氏の研究と考察は、限定された実験で特に物を対象としていますが、とても意義のある、また興味深いモノです。
人間が幸福を求めているにも関わらず、それを破壊しようとするエネルギーが作用する特殊な事例があります。
それは、”愛”に絡む問題です。愛は、自分自身の感情が、相手の感情に影響し、またその経過から変化し続けるという複雑怪奇な生き物だからです。
そして、何とその愛が時に「憎しみ」に変わるからです。
あなたも知っての通り、ストーカー事件やリベンジポルノ、ドメスティックバイオレンスなどが絶えません。人格を傷つけ、人の幸せを破壊し、その人の大事な家族まで絶望させます。時には命まで奪うまでいきます。
中国の偉人、孔子の論語の一節に、
「相手を愛しているときには生きていて欲しいと欲し、憎むようになるとその死を望む。それが惑うということだ」
悲しいことですが、無防備に”愛すること”をしてはならない警鐘だと考えましょう。”愛すること”は、臆病なくらいで丁度いいと考えましょう。
相手のチョットしたやり取りで感情が動きます。
孔子の言葉のように、愛とは180度反転し得る感情なのです。
え!え!?って感じですが、続きがあります。
人は愛されると、最初は「ありがたい」と思います。それが続くと、「当たり前」になります。わがままに育った、しかも感情のコントロールが弱い人は(男性でも女性でも)、徐々に「もっと」を増幅させます。
知性が伴わなければ、善悪の判断もできません。EQが低ければ、感情に支配され、振り回されます。「もっと」は欲望がベースにあるので、エンドレスに広がります。その欲望に、どんな人でも応じる事ができなくなるでしょう。
「あいつは、俺の言うことを聞いてくれた。最初は俺に優しかった。だんだん冷たくなってきた。どういうことだ、連絡もしてこないじゃないか」という憎しみに変わっていくのです。
自然的幸福感が破壊されたときに、代理的な人工的幸福感が得られればいいのですが、こと恋愛に関しては複雑です。
”愛”というものを”純粋”と考えるのは美しいのですが、少し幼稚かもしれません。
人間は、人であると同時に、動物 = 生き物(食欲、睡眠欲、性欲)であるということと、感情に持つ動物だということを知ることです。
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