第三章 脳と心ノ学
第一項 脳科学の時代?
Lumosityは、あなたの脳を鍛えるパーソナルトレーナーです。
一流大学の脳科学研究データに基づいて構築された、あなたにピッタリのプログラムをお届けします。神経心理学でよく使われる方法と新しい方法を組み合わせ、Lumosityの科学者たちは様々なゲームを作りました。
毎日5つのゲームで記憶力、注意力、問題解決など、それぞれのゲームが様々な能力に対応しており、1日15分、週に3~5回ゲームをして脳を刺激しましょう。
今すぐスタートして、あなたの脳の可能性を見つけましょう。
― Lumosity.com ナレーション より ―
有名大型書店に行くと、「脳科学」に関するコーナーがあります。この数年前まではありませんでした。有名大学のキャンパスマップを見ても、「脳科学センター」「脳科学研究所」など、20年前にはほとんど見られなかった「脳科学~」で様変わりしています。まさに「脳科学」は、注目の的です。
日本では、茂木健一郎氏、澤口俊之氏、川島隆太氏、池谷裕二氏、中野信子氏、篠浦伸禎氏、苫米地英人氏、久恒辰博氏、久保田競氏、林成之氏らが、精力的に「脳科学」に関する啓蒙活動を行っています。最近では加藤俊徳氏が「脳の学校」とか「脳番地」をキーワードにマスメディアへの露出度も高く話題になっています。
しかし、まだまだ科学的な証明やデータが不足しているもの、明らかに自分の価値観に重きを置いているもの、通俗的な脳科学に終始しているもの、玉石混交という感は否めません。風潮として、何でも「脳~」をつける傾向があるのには食傷気味。
冒頭で紹介した文言は、「脳科学に基づいた能力開発」を主張する会社のHPにある宣伝ナレーションを文章にしました。この類のものは、世の中に溢れかえっています。安直な能力開発物には注意したいものです。
精神科医の和田秀樹氏は、『脳科学よりも心理学』という本の中で「脳科学のほとんどの学説が、いずれ覆るかもしれない仮説に過ぎず、心理学のほうが実証的」と数々の例をあげ考察しています。
しかし確実に「脳科学」は、神経医学、認知心理学、行動科学、経済学、・・・あらゆる領域とコラボし始めています。
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