理究の哲学(エンジン)
第三章 脳と心ノ学
第五項 人間観察:4つの眼で覗く
人の一生は、
良い糸も、悪い糸も、いっしょくたんに編み込んだ網だ。
― シェークスピア『終わりよければすべてよし』2幕 ―
この人は罪を犯し、かつ罪を犯していません。
この人は、私が処女でないことを誓いもするでしょうが、誓って申し上げます。
私は処女です。このひとは、それを知りません。
― シェークスピア『終わりよければすべてよし』5幕 ―
自分自身のことを他者との関わりの中で捉える人間関係理解モデルとして「ジョハリの窓」を紹介します。人間理解に役に立つ考え方です。この考え方を活用し、自己分析や診断テストを開発し、人材開発プログラムに応用している企業もあります。よって、ネットにアクセスすれば情報は満載。ただし、心の問題と能力の問題をごちゃ混ぜにしているサイトもあるので、1つの読み物として見る分にはいいでしょう。
さて、この考え方は、心理学者のジョセフ・ラフトとハリー・インガムが1955年に発表しました。60年も昔のモデルですが、シンプルでわかりやすいので、「自分理解」「人間理解」のひとつとして習得するといいでしょう。
二人のファーストネームの「ジョセフ」と「ハリー」から「ジョハリの窓」と呼ばれました。人の心を4つの視点(窓)でみると「自分」の特徴や感情が見えてくると仮定しました。
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