理究の哲学(エンジン)

第五章 保育・幼児教育の考察①

14 【続:テレビについて】(2014.03.03 掲載)

前回のコラムの中で、「テレビ時間をコントロールするように」と提言した。読者から、「ウチの娘は3歳ですが、すでにリモコンも自由自在に使っているので、どうしたらよいか」という相談があった。
テレビなどの視聴時間と学力との関係の調査した文科省の報告がある。下の表はその一部。結論は「親がコントロールすべき」。

テレビやビデオ・DVD 1日の視聴時間(休日とゲーム除く)と当該選択肢を選んだ小学生の平均正答率

国語A 国語B 算数A 算数B
①4時間以上 58.1 44.4 73.0 53.4
②3時間~4時間 61.6 49.0 76.6 57.8
③2時間~3時間 63.5 50.6 78.2 59.7
④1時間~2時間 65.1 51.8 79.2 60.8
⑤1時間未満 66.9 53.0 79.9 61.9
⑥全くしない 64.2 48.9 76.1 57.6

※2013年12月 文部科学省(国立教育政策研究所)「全国学力・学習状況調査」報告書から

この子の場合、すでに道具を使いこなす知恵が備わっている。すこぶる順調だ。では、どうやってステップアップするのか。オススメは、新聞などのテレビ番組表の活用だ。一週間分あるものがよい。やることは、見たい番組を選び、色をつけるだけ。もう少し成長したら「見たい」優先順位を①②③などでマークするのも良い。字は読めなくても、縦の時間軸と横のテレビ局の関係は、徐々に学ぶことができる。パパとママの好きな番組も一緒に色分けする作業をすると親子で共有化ができる。「一週間で5つだけね」「毎日見るのはこの番組」との共通ルールが出来上がる。
習慣づけるためには親の我慢も必要だ。どうしても見たければ録画機能を使うことだ。テレビとの付き合い方は、家庭教育力の試金石だ。
さて、女の子と男の子では、テレビ番組の好みが違う。たとえば、女の子の例として、3歳ぐらいまでは「アンパンマン」3歳から小学1年生ぐらいまで「プリキュア」小学2年生頃から「アイカツ」と、成長と共に興味が変遷していく。これは、日曜日のテレ朝の朝の番組だ。NHK派は「おかあさんといっしょ」から始まるようだ。子ども番組は、親からの支持は不可欠。よって、挿入歌やストーリー性など品質が割と高い。
勿論、方針として「テレビはNO!」と徹底して管理できる家庭は、それはそれで素晴らしい。ただ、多くの家庭では、テレビは娯楽の中心的存在。ならば、ルールを決めた上で、受け入れればいい。多くの男の子は、全国津々浦々、戦隊モノが好きだ。でも心配は要らない。成長と共に、次々に卒業をしていく。興味が変わる。テレビの悪影響を心配する方もいるが、神経質にならないことだ。
表を見ると、視聴時間60分以内の生徒が成績がよい。意外だが、全く見ない生徒の成績が良くない。要はテレビを活用し、上手に付き合うことだ。注意点は、ダラダラとテレビを見る習慣をつけてしまうこと。長時間視聴が良くないことは調査報告を見るまでもない。

固定ページ:
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34 35 36 37 38 39 40 41 42 43 44 45 46 47 48 49 50 51 52 53 54 55 56 57 58 59 60 61 62 63 64 65 66 67 68 69 70 71 72 73 74 75 76 77 78 79 80 81 82 83 84 85 86 87

88

89 90 91 92 93 94 95 96 97 98 99 100 101 102 103 104 105 106 107 108 109 110 111 112 113 114 115 116 117 118 119 120 121 122 123 124 125 126 127 128 129 130