第六章 保育・幼児教育の考察②③
第一項 幼児の能力分析 編
6【知的好奇心の発達】(2012.10.29 掲載)
今回は知的好奇心の発達について述べよう。
文部科学省は、児童・生徒の学習状況を
① 関心・意欲・態度
② 思考・判断・表現
③ 技能
④ 知識・理解
の4つの観点で評価するよう学校に求めている。小・中学生になれば成績がテストの点数だけではなく、観点別評価を総合して通知表が付けられる。評価も集団の中の順位を決める相対評価ではなく、個々の到達度を測る絶対評価になる。
右記の4つの観点は、すべて幼児期から連綿と繋がっている能力である。特に注目すべきものは①であり、知的パワーの源と言っていい。
小中学生を見ていて、一番手を焼くのは、勉強ができない子、ではない。学習時間が確保できず、また、先生との相性が悪く成績不振な子はいる。そういう子は手当次第でなんとかなる。
刺激次第で目が輝いてくる。
心配な子は、“暖簾に腕おし”状態の子だ。何事にも消極的な子どもだ。
「あれ?何だろう?」
「うん?変だなぁ。どうして?」
「これ面白いなぁ」
という心の動き=興味・関心は、自発的行動の発火剤だ。
「やりたい、知りたい」という意欲の芽を大切にしたい。
幼児段階で我が子の成績を気にする親は稀だ。ところが数年経つと多くの人は変わる。成績に関心を持ち、干渉が始まる。しかし、小学高学年ぐらいからは、コントロールが効かなくなる。
幼児期こそチャンス。ポイントは3つ。
第1に、我が子をじっくり観て、待つ。観れば、何が好きなのかがわかるはず。夢中になっている事をできるだけ中断させない余裕を持ちたい。そうすれば“待てる”。短気な親は子育て失敗率が高い。
第2に、人間である前の“生き物”としての感覚を研ぎ澄ませる機会を与えたい。たとえば臭いを「くん、くんくん」と嗅ぐことを躾とかマナーという基準で禁止するのではなく、どんな臭い?酸っぱい感じ?甘い感じ、腐っていない?と自分感覚を磨くようにさせたい。臭いに敏感な子どもは頭脳明晰だ。感性を磨く、身体を鍛えたい。
第3に、論語に「知る者は、好むものに及ばず、好むものは楽しむものに及ばず」楽しむことが一番という考え方だ。
幼児は遊びながら学ぶ。その遊びの質が、仲間と時間と空間で決まる。
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