NO3-2 経営理念その2:「知恵の経営」
二番目は(チ)知恵の経営。まぁ、知恵=頭脳を使った経営をしよう、とうことです。
経営は、「ある一定の資産を運用して、どう利益を出していくかのゲーム」と、ある指南書には書かれています。
資産が限りなくゼロからどう戦っていくのか。40年前、私も含め、仲間達は“若さ”だけで動いていました。あるのは、健康な身体と、子ども達の笑顔を引き出す“仕掛け”や夢中に取り組めるような“プログラム”を考えることが好き、ってことぐらい。
経営感覚?・・ありません。経営計画?・・ほぼゼロ。
ワイワイ、ガヤガヤ、教育論争したり、自己主張しながら結構楽しくやっていました。う~ん、それで経営?まじ?大丈夫?・・・ですよね(笑)
大学時代から住み慣れたアパート。後輩たちと酒盛りをし、そのまま寝泊り。時には何日も居候をしたりします。家賃は1万円程度(風呂無し、共同トイレ)。
創業間もない頃(横浜市中区翁町 の新見ビル1Fを借りてから間もない)
『冷蔵庫があると便利だよね』と・・・・
勿論、購入する資金はありません。
『うん?待てよ。冷蔵庫は不要になると無用の長物』
『よし、目立つところに張り紙しよう。「冷蔵庫求む。取りに伺います!」』
青年とは恐ろしい生きものです。羞恥心というものが欠落しています(笑)
有り難いことに三日も経たないうちに近所から声がかかり冷蔵庫をゲット!皆で掃除して、はい稼動!
“資金は限りなくゼロ”ならば、どうする!?というのが、この理念を産んだ原点かもしれません。時は変わり、昔と同じことは通用しないこともあるでしょう。しかし、いつでも“金がなければ頭を使え!”“何とかなる!”ポジティブな気持ちを持つことです。
“思いつき、アイデア”って意外な展開を生みます。
前著「理究の哲学」の中で、ビジネスチャンスは6つの“ふ”に触れました。あなたの周りの①不満 ②不足 ③不便 ④不利 ⑤不快 ⑥不安 これらの“ふ”を感じ、「どうしたらもっと~」と考える事が改善・改良につながります。
思い付きのほとんどは雲散霧消となる可能性があります。しかし、めげずに、粘り強く、“ふ”を捜し、“ふ”を解消していきましょう。そのことが「みんなの役に立つ」に繋がります。その為には、メモをとり、記録を残しましょう。あなたの“思いつき、ひらめき”を先ずは発してほしいのです。そして、仲間と共有化するのです。その蓄積が形づくりを誘引させます。
学習塾をスタートしたキッカケは、年に2、3回キャンプ(合宿)に参加していた御父母から「アンパンマンたちが勉強の面倒見てくれないかしら・・」に、おもわず脳が反応したからです(笑)
“アンパンマン”というのは、私の学生時代からのニックネーム。名付け親は小学生たち。理究では、保育園、幼児教室、学習塾の先生は、基本的にニックネームを持っています(持たせています)。パール、レモン、ミスター、ジャングル、かいじゅう、ブック、Qちゃん、熊さん、アラレ、博士・・・ニックネームで呼ばれています(呼ばせています)。
なぜ?ニックネーム?誤解を恐れず言えば、学校の先生と生徒のような“主従関係”ではなく、“ゆる~い関係”の演出もあります。加えて、子供との関係づくりにニックネームは一役を買います。キャンプリーダーは10代後半から20代。しかも、ほとんど訓練されていない(泣)。だから、せめてニックネームで別人格にさせるのです。酒も飲まずに朝からハイテンションなる(笑)。キャンプ(合宿)は、指示命令だけでは動きません。リーダーの人格がすべて曝け出される場。“一心同体”をも経験する非日常です。主催する私たちも、子供たちも一期一会を満喫するのです。なぜか子供たちの自主性も引き出される気がします。今では、ニックネームの意味合いもだいぶ変化しました。キャンプ(合宿)生活からスタートした時の、大事にしてきた名残り、感覚です。
さて、塾という存在を知った時は、驚きでした。
「え?小学生から塾に通うの?」「しかも週に3回?」「日曜日はテスト?」
“中学受験”という仕組みに興味が湧いたのを覚えています。とにかく、強烈。中学生は、神奈川方式(当時、中2でア・テスト)という独自形式。生半可な対応では学習塾は運営できない。準備に相当時間を取りました。
幼児教室や学習塾教室を毎年どんどん開設。教室長や副教室長を担う人材を採用してきました。授業はもちろん、教室運営(父母会や進学セミナーなど)も熟していくとオールマイティな人材になっていきます。なぜならば、常に“創意工夫”が求められ、お客様を“飽きさせない”ことに、知恵を出す習性ができます。現場で鍛えた「知恵力」は、他の部門に異動しても必ず生きます。「NO3-3顧客の創造」に繋がる顧客志向になっていきます。彼らが現在の理究グループを支える人材となっています。
「口だけの、評論家っぽい人材は不要!」と社員には伝えています。
それは、“当事者意識を持て!”ということです。誰かが品質を上げてくれる、誰かがクレームを処理してくれる、誰かが・・・
どうしたら、お客様の為に良い商品を提供できるのかを自分の頭で考えてほしいのです。どんな小さな事でも気づいてほしい。
そして、考えたら動く!「知覚動行 精神」です(笑)
発想なくして行動なし、行動なくして前進なし。行動につなげてこそ「知恵の経営」になります。“頭でっかち”だけではアカン!
「知覚動行」は、「ちかくどうこう」という四字熟語ではない。
「ともかくうごこう」と読みます。洒落た感覚。創作者は不明です。