理究の言魂(ことだま)

NO8 現場力の経験則~一人前の5つの「できる」~

(1) 受け持つ子どもの名前をすべて覚えることが「できる」
(2) 保育・指導・授業が「できる」
(3) 商品・サービスの説明が「できる」
(4) 面談が「できる」
(5) 合宿・キャンプリーダーが「できる」

 

「できる」という感覚は、スポーツ、習い事、学習(勉強)、仕事など意欲的、自発的に取り組む上で重要であることは、あなたも理解できるでしょう。
「できる」ことを持つと自信になる、逆に「できない」が続くと、何でも嫌になる。だから消極的になります。誰でもそうですが、「できない」ことは、特別なことがない限り、やりたくありません。
だから「できる」ことにフォーカスするのです。“長所伸展法”の原点です。

理究の保育事業部(パレット保育園)では、研修・育成の一環として、保育士全員に「できたかな表A」(勤務考課)「できたかな表B」(能力考課)を活用しています。
1年間で、知識、マインド、スキルなど仕事に対しての取り組み方などを自己評価、他者評価を通じて課題をピックアップし、保育士としての品質向上や園運営を円滑にするために役立てようとしています。

人格心理学者のロバート・W・ホワイト が「有能感(コンピテンス)の概念」を発表しました。20世紀中盤です。乳幼児教育の重要性を世に広めた1つのキッカケを作りました。
「有能感」とは、“人は環境と効果的にかかわり、有能でありたいという気持ちを持つ人間の基本的な強烈な欲求”と定義づけています。
乳児(赤ちゃん)は、周囲の環境に笑いかけたり、泣いたり、動いたりすることで、何らかの反応、変化を引き起こそうとします。歩くこともできず、意味ある言語を習得するにはまだ時間を要するのです。自分の生命力で発するSomethingで、周囲の反応を誘発することで有能感、自己効力感を獲得していきます。逆に、無視され養護されなければどうなるでしょうか。悲惨で無慈悲な結果が想像できます。乳幼児は、人間が人間らしく成長していく基盤をつくる大切な期間。そのことは、多くの研究で証明されています。だから、乳幼児期には“保護者=愛情を持って見守り、反応する人”が絶対に必要なのです。 “親・代行業”としての私たちの仕事の存在意義、存在価値も研究で裏付けされています。

人は、成長してからも「有能感」への欲求に駆り立てられ、達成感や充実感を得るために様々な活動に積極的に取り組もうとします。
あなたにもそのような欲求―たとえば、登山やサーフィンに挑戦してみたいとか、田舎や海外を旅してみたい、新しいパスタのメニューや楽器演奏にトライしたり、ITスキルや資格取得を目指そうなど、自発的な要求を持っているのではないでしょうか。物事を学習して、自分自身の有能さを確かめようとして意欲的に行動したことがあるでしょう。勿論、その志の多くは継続できず、中途半端に終わり、挫折感を味わったことも1度や2度ではない(泣)
しかし、運よく、努力の甲斐があって事を成したとき、“自分はできる、だからやってみよう”という気持ちになります。
保育士や栄養士という役割の中で、少しでも「できる」ことを増やしていくことが、仕事人としての腕を磨くことだと考えています。
上記の「できたかな表A&B」も運営本部で毎年、工夫を重ね更新中です。一人ひとりの能力を最大限活かすのは、子どもに対しても大人に対しても同じなのです。

NO8 現場力の経験則」として、保育・教育サービス業に従事する人に必要な「5つのできる」を提唱します。
あなたの持っている「有能感=能力を発揮したい」を、必ずや刺激し、今以上のパフォーマンスが“できる”ようになること信じています。“できる”ようになることを増やしていく、そのレベルや品質を向上させていくことが、あなたの人生を豊かにすることに繋がっていくのだと考えています。

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