理究の言魂(ことだま)

NO10-4 簡潔化の原則

NO6 指導理念」に繋がる原則です。
難しいことを、いかに易しく教えることができるのか。複雑なことをいかに簡単に示すことができるのか。指導の醍醐味はこの辺にあるのではないでしょうか。

先ずは、新単元に入る前に「基本知識」を含めた「レディネス」があるかどうかは学習の前提になります。たとえば、“旅人算”や“流水算”など「速さの領域」を解かせる前に、時速計算や分速計算ができるようにしておくこと。その計算がスムーズにできるよう分数計算力の確認は必須です。学ばせるには手順があります。その単元の指導デザインを創意工夫することから始めましょう。しっかりしていれば遠回りすることはありません。A場面→B場面→C場面→D場面とテキパキ進めることができます。
指導者の経験則として、生徒がC場面で躓く可能性が高いと予想できていれば、予め、補助プリントを準備します。また、授業時間を調整する余裕ができます。そのことが結局、時間を無駄にしないという考え方になるのです。

映像授業が徐々に広がってきました。大学受験でのサテライト(衛星映像授業)がスタートして30年以上が経ったでしょうか。素晴らしい成果を上げてきました。しかし、1授業=60分~90分の授業は長すぎます。90分集中し続けることは大学生にも困難なのに高校生では非常にキツイ。

学習者の落とし穴は、解説を聞いただけで「判った気になる」ことです。
“わかる”から“できる”ようになるためには、“反復練習”が必要です。練習時間にどれだけ時間が確保できるか、しかも集中した練習です。ダラダラ練習は百害あって一利なし。よって、解説や説明は短く、簡潔に、そう100%を狙わずに設定することです。

2020年の新型コロナの影響で、いつでも、どこでも受講できる映像での学習が促進されました。偶然ですが、対面授業の価値や意義を問い直すきっかけになりました。Zoomを活用しての授業にも取り組みました。この経験は、“学習スタイル”を大きく変える可能性があります。

「簡潔化の原則」とは、限られた時間という条件の中で、最大の効果を生むための原則なのです。
今では、ユーチューバーたちが、競って学習解説をしています。まだまだ玉石混交とはいえ、素晴らしい時代になったと感じています。
私たちも映像を制作し、学習成果を高めるための工夫をしています。商品説明映像を始め、幼児教育から受験指導にいたるまで、少しでも良質な映像を制作していこうと考えています。そのコアな考え方は「簡潔化の原則」です。

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